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なぜ自力で治さなければならないか [技法]

 何度でも繰り返しますが、アルコール依存は病気ではありません。その人のライフスタイル、生き方、ポリシー、テイストなどの集合体なのです。

 ですから、医療機関に行っても無意味です。アルコール依存は病気ではないので、手術も投薬も全く役に立たないのです。つまり、医者にはどうすることもできないのです。

 また、現在のあなたは、過去のあなたの積み重なりなのです。現在のあなたは、過去のあなたがもたらしたものなのです。

 これを無視して機械的に「断酒」すれば、あなたの中の依存体質は何かまた別のものに噴き出すことでしょう。

 だから、自分の内面の過去にまでさかのぼって、あなたがアルコールに依存するようになった理由、動機を解明しなければなりません。

 それを怠ったら「断酒」は結局一時的なものになり、失敗に終わるでしょう。



 あなたはなぜ毎日酒を飲むようになったのか、酒を飲んでどうしたかったのか、自分との対話で明らかにすることが、まず何よりも大切です。

 わたし自身の経験をお話ししましょう。わたしの場合、本格的に飲むようになったのは26歳、入社3年目で上司とケンカして左遷されてからでした。

 今にして思えば、それほどヤケにならないでもよかったのに、当時のわたしは愚かな若者ですから、すっかり会社が嫌になってしまったのです。とはいえ、そのまま飛び出さないだけの打算や世知は持ち合わせていました。

 そこでこのまま会社に居座って、仕事をテキトーにこなして、給料だけ取ってやろう、と思うようになったのですね。会社の吹きだまり連中との接点ができたのもこのころです。

 気が付くと、わたしは終業時刻と共に職場を飛び出し、毎日会社近くの薄汚い安居酒屋でくだを巻くようになっていました。飲むと会社の批判、上司・同僚の悪口、あるいは政治やスポーツ、音楽など何でもないことでの口論。

 そんなこんなで数時間を過ごしても足りず、家の近所のスナックに寄り、コンビニで酒を買ってから帰宅するような生活になっていました――。

 そういった自分自身の心理を分析するに、当時のわたしは詰まらない、満足できない日常を、ちょっとでも楽しく変えたいために酒を飲み始めたのだと思います。

 もっと楽しい気分になりたい、現実から目を背けたい――これが自分の飲酒動機だと分かってから、楽になりました。憑(つ)き物が落ちたような気持ちです。飲酒動機が明らかになってから、打つ手が格段に増えました。

 今のわたしは、昔のわたしと違って、飲酒や酩酊に気分を楽しくする効果はない、とはっきり分かっています。だから、もうあまり飲み過ごしません。自分で自分の飲酒、酒量をほぼコントロールできています。

 天は自ら助くる者を助く、我を救う者は我なのです。どうぞ、お忘れなく。





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